健康診断を社員に受けさせることは、労働安全衛生法で定められた会社の義務です。しかし、社員のなかには「受けたくない!」と答える人もいます。

「社員が健康診断を拒否するが、どうしてだか分からない」
「健康診断を受けないと言われたら、事業主はどうすれば良い?」

このような疑問を抱いている方のために、健康診断を受けたくないと言う理由と、会社が取るべき対応についてご説明します。

社員が健康診断を受けたくないと感じる理由は何?

まずは、社員がどうして健康診断を拒否するのか見てみましょう。「受けたくない」と感じる理由は、以下のとおりだいたい共通しています。

仕事で忙しい、受けるのが面倒くさいため

健康診断を受けるためには、半日近くの時間を消費しなければなりません。

これは所属している会社にとってはかなり大きな痛手です。消費された分の作業を穴埋めするのが大変どころか、そもそも時間を空けることすら不可能なこともあります。

健康診断の結果を会社に知られたくないため

健康診断の結果は、立派な個人情報の1つです。

それらを会社に知られたくないという方は意外とたくさんいます。とくに、女性は体重などの情報を担当者に知られることを嫌う傾向があります。

レントゲンによる医療被ばくを避けるため

レントゲン検査で放射能を浴びることが嫌だという理由も少数ですがあります。

医療被ばくという言葉もあり、神経質な方はどれだけ説明してもとことん受診を拒否する場合があります。

なお、レントゲン検査で浴びる放射線量は非常に小さく、1年に1回の健康診断ではほとんど影響がありません。

健康診断を受けたくない社員にたいして会社が取るべき対応策

社員はさまざまな理由で健康診断を拒否することがあります。しかし、会社にはかならず受診させるという義務があるため、それを認めるわけにはいきません。

受診を拒否した社員を放置したとき、重大な病気や過労死などになったときなどに、会社が大きな責任を問われることになるでしょう。

それでは、健康診断を受けたくないという社員が出たとき、会社としてするべき対応をご説明します。

健康診断受診の義務を規則化する

まずは、あらかじめ健康診断を受けることを社則として定めておきましょう。「受診を拒否した場合、懲戒処分を行う」などの厳しいルールが必要です。

前提として、社員に「健康診断を受けずに働き続ける」という選択肢があってはいけません。それで万が一病気になったら、責任を問われるのは会社だからです。

しかし、規則も定めずに「受けないなら辞めろ」と言うのはトラブルを引き起こす原因になります。

そのため、あらかじめ健康診断にかんする厳しい規則が必要となるというわけです。

健康診断でかかる費用を会社でサポートする

健康診断の受診を強制されたあげく「費用は自分で払え」と言われたら、誰でも受けたくないと思うのは当然です。

そもそも、健康診断の費用は会社が負担すると法律で定められています。このような理不尽を招かないよう、自費で受けさせていた場合はすぐに変更しましょう。

また、健康診断を勤務時間とみなすかどうかも重要です。

厚生労働省では、一般健康診断は社員と経営者の協議で決めるべきだが、勤務時間として給料を発生させることが望ましいという見解を出しています。

その他、法律の範囲外となる二次健康診断の費用もサポートする、業務が圧迫されないようにスケジューリングするなど。とにかく、社員が健康診断に行きやすい体制を整えることが重要でしょう。

プライバシーの保護を徹底する

会社には、健康診断の結果を受け取って一定期間保管する義務があります。会社に結果をいっさい知らせないということは法律上できません。

そこで社員に「法律で決まってるんだから」と頭ごなしに言うのではなく、信用と理解を得た上で受診させたほうが望ましいでしょう。

そのためにも、プライバシーの保護を徹底し、社員への配慮を忘れない対応が必要です。

少なくとも、人の体重を見て「イジる」ようなことをしていては、社員からの信用を得られるわけがありませんね。

健康診断についての正しい知識を教育する

そもそも、一般的な社員で健康診断にかんする正しい知識を持っている方はほとんどいません。

社員にしっかり教育を施すことは、事業主の責任でもあります。少なくとも、次のような知識はしっかり身につけさせておくべきです。

・会社には、健康診断を社員に受けさせる義務、結果を受け取り管理する義務がある

・健康診断は健康を維持し、病気を早期発見するために大切である

・再検査・要精密検査の結果が出たら、ただちに受けること

・レントゲンによる医療被ばくの可能性は少なく、受けないことによるデメリットのほうが大きい

健康診断のスムーズな受診のために、日頃から健康にたいする意識付けを!

社員がどれだけ「健康診断を受けたくない!」と言っても、会社には受けさせる義務があります。

「受けないなら懲戒処分する場合がある」という厳しい対応をすると同時に、「元気に仕事をしていくために必要なんだ」という理解と協力を促す姿勢も大切です。

また、健康診断を拒否する社員の方は、健康にかんする意識が薄いとも言えます。そこで、健康診断とは別に、すぐに始められる医療コンサルタントから取り入れてみましょう。

弊社では採血を行うだけで健康状態を把握し、生活習慣をアドバイスさせていただくサービスを提供しています。

会社に訪問して採血するため、忙しいときも安心です。

社員の健康診断がうまくいかないと悩んでいる方は、ぜひともご相談ください。